トラックドライバーへの転職の注意点|年収・労働時間ルールと求人の見方

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「トラックドライバーは人手不足だから、未経験でも転職しやすいと聞いた」「でも、きつい・長時間労働というイメージもあって不安」。そんな気持ちで調べている方も多いのではないでしょうか。

実際、トラックドライバーの求人は多く、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、有効求人倍率は2.94倍(令和7年度)です。ただ、2024年4月からドライバーの労働時間に関するルールが大きく変わり、同じ「ドライバー募集」でも、ルールに沿った運行ができている会社かどうかで働き方に差が出やすくなっています。

この記事では、トラックドライバーへの転職を考えている方に向けて、働き方の種類や年収の目安、2024年から変わったルール、そして求人票や面接で確認しておきたい注意点をチェックリスト形式でまとめました。

トラックドライバーの仕事と働き方の種類

長距離・地場・ルート配送の違い

ひと口にトラックドライバーといっても、走る距離や運ぶものによって生活リズムは大きく変わります。

  • 長距離輸送:県をまたいで荷物を運ぶ働き方です。車中泊や数日家に帰れない日があり、深夜・早朝の運転も多くなりやすい傾向があります。
  • 地場(近距離)輸送:同じ地域の中で荷物を運ぶ働き方です。基本的に毎日帰宅できますが、1日に回る件数が多くなることがあります。
  • ルート配送:決まった配送先を決まった順番で回る働き方です。仕事の流れを覚えやすく、勤務時間も比較的安定しやすいのが特徴です。

「家族との時間を大切にしたい」「夜型の生活でも平気」など、自分の暮らし方と照らし合わせて選ぶことが、長く続けるための第一歩です。

必要な免許と運転できるトラックの大きさ

運転できるトラックは、持っている免許の種類で決まります。目安は次のとおりです。

  • 普通免許:車両総重量3.5t未満・最大積載量2t未満(18歳以上)
  • 準中型免許:車両総重量7.5t未満・最大積載量4.5t未満(18歳以上)
  • 中型免許:車両総重量11t未満・最大積載量6.5t未満(20歳以上・免許保有2年以上)
  • 大型免許:車両総重量11t以上・最大積載量6.5t以上(21歳以上・免許保有3年以上)

なお、平成29年3月12日より前に取得した普通免許は、取得時期によって運転できる範囲が広い場合があります。ご自身の免許証の「条件等」の欄を確認してみてください。受験資格については、特例教習を受けることで年齢や免許保有期間の要件が緩和される制度もあります。

トラックドライバーの年収の目安

統計上の平均年収は507.2万円

job tagによると、トラックドライバーの年収は507.2万円です(令和7年賃金構造基本統計調査)。同じ調査で、平均年齢は51.5歳、月の労働時間は175時間となっています。

ここで注意したいのは、この数字がベテランを多く含む平均だという点です。未経験から始める場合、最初からこの水準に届くとは限りません。

求人で提示されている賃金は月29.5万円

ハローワークの求人統計(令和7年度)では、トラックドライバーの求人賃金は月額29.5万円です。転職先を考えるときは、平均年収よりも「実際に出ている求人の金額」を基準にしたほうが、入社後のギャップを小さくできます。

給料の内訳で手取りは変わる

ドライバーの給料は、基本給に加えて残業代・歩合給・各種手当が占める割合が大きくなりやすい仕事です。後で説明する労働時間の上限によって残業が減れば、残業代を前提にした給与体系では手取りが減る可能性があります。求人の金額だけで判断せず、内訳まで確認することが大切です。

2024年4月から変わった労働時間のルール

時間外労働の上限は年960時間

いわゆる「2024年問題」と呼ばれる変化です。2024年4月から、自動車運転の業務にも時間外労働の上限規制が適用され、特別条項付きの36協定を結んだ場合でも、上限は年960時間になりました。

一般の労働者に適用される「月100時間未満」「2〜6か月平均80時間以内」などのルールは、ドライバーには適用されない点が異なります。一般的な残業の上限については、残業がきつい…。残業の上限ってないの?でも解説しています。

拘束時間や休息期間のルール(改善基準告示)

トラックドライバーには、時間外労働の上限とは別に「改善基準告示」というルールがあります。主なポイントは次のとおりです。

  • 1か月の拘束時間:原則284時間以内(労使協定により年6か月まで310時間)
  • 1日の拘束時間:原則13時間以内(延長する場合も最大15時間)
  • 休息期間:勤務終了後、継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らないこと
  • 連続運転時間:4時間以内(運転を中断する際は、1回おおむね10分以上・合計30分以上の休憩などが必要)

拘束時間とは、運転だけでなく荷待ちや休憩も含めた、始業から終業までの時間のことです。宿泊を伴う長距離運行などには例外もあるため、詳しくは厚生労働省の「トラック運転者の改善基準告示」のページで確認できます。

転職する人にとっての意味

これまでのように「長く走るほど稼げる」働き方は、見直しが進んでいく可能性があります。転職する側としては、高い給料の数字だけでなく「この会社はルールの範囲で運行を組めているか」を見極める視点が欠かせません。

転職前に押さえたい注意点チェックリスト

ここからは、求人票や面接で確認しておきたいポイントを具体的に紹介します。

1. 給与表示の中身を確認する

  • 「月給35万円可」などの表示は、何時間の残業を前提にした金額か
  • 固定残業代(みなし残業代)が含まれている場合、何時間分か
  • 歩合給がある場合、何を基準に計算されるのか(運行回数・売上など)

入社後に「聞いていた給料と違う」とならないよう、内訳は書面で確認しておくと安心です。万が一食い違いがあった場合の考え方は、「応募した時と給料が違う!」時の対処法も参考にしてください。

2. 運行の実態を面接で聞く

1日の拘束時間や休息の取り方は、求人票だけでは分かりにくい部分です。面接では、次のように聞いてみると具体的な答えが返ってきやすくなります。

  • 「配属予定のコースでは、1日の拘束時間はだいたい何時間くらいでしょうか」
  • 「勤務と勤務の間は、何時間くらい空くことが多いですか」
  • 「荷待ちの時間は、どのくらい発生することが多いでしょうか」

質問にはっきり答えられない、あるいはルールを大きく超える働き方が当たり前のように語られる場合は、慎重に判断したほうがよいでしょう。

3. 未経験者の研修体制を確認する

国土交通省の指針では、緑ナンバーの運送会社(一般貨物自動車運送事業者)は初めてトラックに乗務する人に対して、乗務前に座学15時間以上と、添乗などによる実技指導20時間以上を行うことが求められています。適性診断(初任診断)の受診も必要です。

「研修はなく、すぐに一人で乗ってもらう」という説明があれば注意が必要です。どんな研修を、どのくらいの期間行うのかを確認しておきましょう。

4. 免許取得支援の条件を書面で確認する

中型・大型免許の取得費用を会社が負担してくれる制度は、未経験者にとって心強い仕組みです。一方で、「一定期間内に退職した場合は費用を返してもらう」といった条件が付いている場合もあります。条件の内容によって扱いは変わるため、入社前に書面で確認し、気になる点があれば専門家への相談も検討してください。

5. 荷物の積み降ろし方法を確認する

荷物を手で積み降ろす「手積み・手降ろし」が多いのか、フォークリフトやパレットを使うのかで、体への負担は大きく変わります。体力に不安がある方は、特に確認しておきたいポイントです。

6. 休日数と勤務時間帯を確認する

年間休日数や、夜間・早朝の勤務がどのくらいあるかも確認しておきましょう。生活リズムが自分に合わないと、仕事そのものは好きでも続けるのが難しくなってしまいます。

トラックドライバーに向いている人・向いていない人

トラックドライバーに向いているのは、次のような人です。

  • 一人で黙々と作業することが苦にならない人
  • 安全を最優先にして、慎重に運転できる人
  • 到着時間から逆算して動くなど、時間管理が得意な人

反対に、生活リズムが変わることが苦手な人は、長距離輸送はつらく感じるかもしれません。その場合は、毎日帰宅しやすい地場輸送やルート配送から検討してみるのもひとつの方法です。

後悔しない求人の探し方

求人を探すときは、1社だけで決めず、複数の求人を同じ条件で比べることが大切です。給与の内訳、拘束時間、休日数、研修体制を並べて比較すると、会社ごとの違いが見えやすくなります。

ハローワークの求人票は記載項目が統一されているため、比較の基準として使いやすいでしょう。口コミは参考になりますが、個人の体験に偏ることもあるため、あくまで判断材料の一つとして見るのがおすすめです。情報の集め方については、転職の情報収集のやり方|在職中でも迷わない情報源と見極め方のコツで詳しく紹介しています。

また、経験を積んだ後のキャリアとして、国家資格の「運行管理者」を取得し、配車や運行管理の仕事に進む道もあります。将来の働き方まで見据えて会社を選ぶと、選択肢が広がります。

よくある質問

普通免許だけでもトラックドライバーになれますか?

なれます。ただし、平成29年3月12日以降に取得した普通免許で運転できるのは、車両総重量3.5t未満・最大積載量2t未満のトラックです。それより大きいトラックを運転するには、準中型以上の免許が必要になります。それより前に取得した免許は運転できる範囲が広い場合があるため、免許証の条件欄を確認してください。

2024年問題で給料は下がるのですか?

時間外労働に年960時間の上限ができたため、残業代の割合が大きい給与体系では、手取りが減る可能性があります。一方で、給与体系を見直している会社もあります。求人を見るときは、総額ではなく基本給・手当・残業代の内訳を確認しましょう。

未経験でも、いきなり一人で運転することになりますか?

緑ナンバーの運送会社には、初めて乗務する人に対して座学と添乗による指導を行うことが求められています。研修の内容や期間は会社によって異なるため、面接の段階で具体的に確認しておくと安心です。

まとめ

トラックドライバーは求人が多く、未経験からでも挑戦しやすい仕事です。その一方で、2024年4月からの労働時間のルール変更により、会社選びの大切さはこれまで以上に増しています。

  • 給与表示の内訳(固定残業代・歩合)を確認する
  • 1日の拘束時間や休息期間など、運行の実態を面接で聞く
  • 未経験者向けの研修体制を確認する
  • 免許取得支援の条件を書面で確認する
  • 積み降ろし方法や休日数など、体と生活への影響を確認する

入社後に労働時間や給料について困ったときは、労働基準監督署などの公的な相談窓口もあります。ひとりで抱え込まないようにしてくださいね。

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